天川の茶室
2021
382cmx382cmx196cm
MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館
自然の中の人の痕跡をみて、自然の中の人為が思いのほか目立っていることに、気がつくことがあります。その痕跡は、以前その地にいた誰かが、意思や想いを携えて行動をした跡であり、時間を超えても意思を持ってその存在を伝えていることに気がつきます。
今回作者は、美しい水や土、空気の恵のあるこの地に、受け入れられ暮らしている人々に、インスピレーションを得て制作を始めました。
「天川の茶室」はこの土地の材料を使い、美しさや特徴を凝縮し、景色にした作品です。実際にこの地を訪れた方々に、ここで一息ついて、天川を、肌や五感で感じてほしいという想いを込めて制作しました。
この場には、人の時間ではなく、木の時間が流れています。個の瞬間という人時間を持つ人に対して、木は、種の永遠という時間を持っているように感じられます。継続的な種の保存の営みの中で途切れることのないゆったりとした時間が流れていることを感じることができます。
この場所にしばらくいると、自分の存在が、自然に包まれ、認められているように感じられることと思います。